行政書士事務所開業までの軌跡

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【ライドシェア解禁:】自家用車を活用した運送サービスの新制度の許認可はどうなるのか?


2024年4月から一般のドライバーが有償で他人を送迎できる「ライドシェア」が

一部解禁されます。

この制度は、特に地方や観光地でのタクシー不足や需要増加に対処するために

導入され、地域の自家用車やドライバーを活用して運送サービスを提供するものです。

ライドシェア解禁となった背景の一つに白タク(白ナンバープレートタクシー)が

あります。

本来緑のナンバープレートでないと有償での送迎は認められていません。

なのにもかかわらず、許認可なし(=白ナンバープレート)で有償で

送迎をしているものが増えており、問題となっているのです。

 

さて今回は2024年4月から解禁される「ライドシェア」に触れつつ、

現在最も制度的に近いであろう個人タクシーの許認可について解説していきます。

 

 

白タクの罰則について

冒頭で述べた、白タクについてですが、違法です。罰則があります。

 

・無許可タクシー業の禁止

道路運送法第4条

一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を

受けなければならない。

・違反の罰則

第96条

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

【引用】道路運送法

 

かなり厳しい罰則となっています。知らなかったではすみませんので、

注意してください。インバウンド客の増加により、白タクも増えており、

取り締まられている者も増えているようです。

 

ライドシェアはタクシー事業の一環として解禁される

2023年12月26日現在、タクシーが不足する地域や時間、時間帯を限定した上で、

地域の自家用車やドライバーを活用して、「タクシー事業の一環」として

運送サービスを提供する形でのライドシェア解禁が決まった。

解禁は「自家用有償旅客運送制度」の見直しにより実現し、タクシー会社が管理する

形態で、運行管理や配車はタクシー会社が担当し、運賃もタクシーに準じる。

タクシー会社が管理するという点で、

既にライドシェア導入済の米国のUberなどの事例とは仕組みは異なるものとなる。

タクシー会社以外の企業の参入を可能とする環境整備については、

'24年6月を目処に検討を進める。

 

これにより、運行管理がタクシー会社によって行われ、タクシー事業者が責任を持つ

仕組みとなる。なお、今回の解禁では、「タクシー事業の一環として運送サービスを

提供する」という点が異なり、将来的には他の企業の参入も可能となる環境整備が

検討される。地域のタクシー不足解消に向け、アプリデータを活用し、ライドシェアの

対象地域や時間帯を特定する仕組みも整備されていく。

 

ライドシェアの許認可制について

ライドシェアに関しては許認可制になることが予想されます。

現在はまだ解禁前のため、情報は出ておりません。

また、先述のタクシー事業の一環として解禁されるということもあり、

どのような法整備になるか注目が必要です。

 

類似の個人タクシーの許認可について見てみましょう。

今現在、ライドシェアに一番近いものは個人タクシーなのではないでしょうか。

その個人タクシーですが、当然許認可制で、様々な項目をクリアする必要があります。

 

タクシーの運転者になるための条件は以下の通り

1.営業区域は道路運送法施行規則第5条に基づくもの。

2.申請日時点での年齢が65歳未満。

3.有効な第二種運転免許(普通免許または大型免許に限る)を所持。

4-1.年齢が35歳未満の場合

  ・申請する営業区域で10年以上同一のタクシーまたはハイヤー事業者に

   運転者として雇用されていること。

  ・申請日以前の10年間無事故無違反であること。

4-2. 年齢が35歳以上40歳未満の場合

  ・申請する営業区域で自動車の運転を専ら職業とした期間が10年以上で、

   一般旅客自動車運送事業用自動車以外の自動車の運転を職業とした期間は

   50%に換算。

  ・上記の運転経歴のうち、タクシー・ハイヤーの運転を職業としていた期間が

   5年以上であること。

  ・申請する営業区域においてタクシー・ハイヤーの運転を職業としていた期間が

   申請日以前継続して3年以上であること。

  ・申請日以前の10年間無事故無違反である場合、40歳以上65歳未満の条件に従う

   ことができる。

4-3. 年齢が40歳以上65歳未満の場合:

  ・申請日以前25年間のうち、自動車の運転を専ら職業とした期間が10年以上で、

   一般旅客自動車運送事業用自動車以外の自動車の運転を職業とした期間は

   50%に換算。 

  ・申請する営業区域において、申請日以前3年以内に2年以上タクシー・ハイヤー

   運転を職業としていた者であること。

 

条件まとめ

素人が2種免許を取って個人タクシー業を開業するっていうのは不可能なのが、

わかりましたよね。

すべての要件として、タクシー・ハイヤーの運転手として5年もしくは10年以上も

経験が必要で、しかも年齢によっては無事故無違反を通していなければならないと

いうのは、かなりハードルが高いと言わざるを得ません。