行政書士事務所開業までの軌跡

行政書士事務所開業まで実務について勉強したことを記録しています。

定款作成のポイント!自分の会社を設立しよう ~相対的記載事項・任意的記載事項編

会社の憲法「定款」これは会社を設立するために必ず作成しなければならないと、

会社法で規定されています。

定款作成に記載する内容には、

・絶対的記載事項

・相対的記載事項

・任意的記載事項

を記載する必要があります。

今回は相対的記載事項、任意的記載事項について解説していきます。

 

絶対的記載事項については過去の記事からご確認ください。

 

doi-gyoseishoshi.hatenablog.com

 

 

相対的記載事項

法的には記載しなくても問題はないものの、定款に記載がないとその事項について

効力が認められない事項を相対的記載事項といいます。

つまり、必ずしも定款に記載しなくても問題はありません。

具体例をご説明していきましょう。

 

株券発行の定め

株券は、株式の保有を明らかにする有価証券です。

株券を発行する旨を定款に明記しない限り、株券不発行会社(株券を発行しない会社)

となります。

 

役員の任期の伸長

役員の任期は、取締役の任期は2年、監査役は4年と会社法で定められています。

非公開会社であれば、定款に記載することで最長10年まで伸長することが可能です。

 

ワンポイント 非公開会社とは

非公開会社というのは、株式の譲渡を制限している会社です。

具体的に言うと一族経営の中小企業などに多いです。

株式の譲渡を過半数以上許すと取締役会の議決権に力を持たれてしまい、

経営権に支障が出てしまいます。一族経営の場合だと会社が乗っ取られてしまうので、

非公開会社にしている場合が多いんですね。

 

株主総会、取締役会及び監査役会招集通知を出す期間短縮

株主総会を招集は、通常2週間前までに通知を出す必要があります。

ただし、定款に明記することで短縮も可能です。

 

変態設立事項

相対的記載事項といえば、変態設立事項のことといっても過言でありません。

この変態というのは、変人とかの意味を指すものではなく、変則という意味です。

つまりは、設立に関する変則的な行為を指します。

これは、発起人が自分の利益を優先するなどして、会社が不利益を被ることが

ないよう、定款に記載が求められるものです。

会社設立時に、もしその事項を決定したならば、必ず記載しなければならないのが、

以下の4つの事項です。

 

現物出資

⇒   土地や債券、車、不動産など、お金以外の現物出資に関すること。

財産引受    

⇒ 発起人が株式引受人や第三者との間で、会社成立を条件に譲り受ける

(買い受ける)特定の財産のこと。

発起人の報酬

⇒ 会社設立後に、発起人が受け取る報酬。

設立費用    

⇒ 会社設立後に、発起人が会社に請求できる設立費用。

 

このように、発起人の恣意的な操作によって会社財産基盤が危うくなったり、

特定の者が会社設立で利益を得ることなどを防止し、株主や会社債権者の利益を

保護する必要性から特に4つの事項は、厳格な管理下に置かれるわけです。

 

任意的記載事項

任意的記載事項は、定款に記載してもしなくてもいい事項です。

なぜなら、定款に記載しなくても、社内規定などに明記すれば効力が認められます。

定款に記載した場合、その内容を変更したいときには定款変更の手続きが必要です。

主な任意的記載事項は下記のとおりです。

株主総会の開催規定 ⇒ 定時株主総会時期を記載します。

役員報酬に関する事項 

・事業年度 ⇒ 会社が決算書を作成するために区切る年度のことです。

・配当金に関する事項

 

定款は紙でも電子定款でもどちらでもOK

定款の作成方法には、紙と電子定款の2種類があります。

紙の場合

⇒ パソコンで作成して印刷・製本し、4万円の収入印紙を貼ります。

電子定款

⇒ PDFにて作成し、電子署名を付与した定款のことです。印紙は不要

 

印紙代もかからないことから、最近は電子定款を選ぶケースが増えています。

 

まとめ

定款作成はなかなかご自身でされることも少ないため、

作成には時間がかかるでしょう。

こういった時には行政書士などの専門家などに代行依頼をすると

費用は掛かりますが、時間を節約できますので、相談してみましょう。