行政書士事務所開業までの軌跡

行政書士事務所開業まで実務について勉強したことを記録しています。

「小規模事業者持続化補助金」VS「事業再構築補助金」結局どっちがいいのか比較してみよう

中小企業向けや個人事業主の方向けにお勧めの補助金として、「小規模事業者持続化補助金」と「事業再構築補助金」をご紹介させていただきました。どちらも幅広い業種の方に使える汎用性の高い補助金でしたが、結局どちらのほうが良いのでしょうか?

今回の記事では、「小規模事業者持続化補助金」と「事業再構築補助金」の違いを比較しながら、解説していきたいと思います。

前回の記事を見て頂いた後に、今回の記事をご覧いただいたほうがわかりやすいので、ぜひ下記リンクから、チェックしてみてください。

小規模事業者持続化補助金についての記事↓

doi-gyoseishoshi.hatenablog.com

事業再構築補助金についての記事↓

doi-gyoseishoshi.hatenablog.com

 

小規模事業者持続化補助金と事業再構築補助金の違い

【違いその1】申請できる対象者が違う

結論から言うと、申請できる事業者については補助金のその名の通り、小規模事業者持続化補助金のほうが、対象になる事業者の規模が小さいです。

小規模事業者持続化補助金

持続化補助金ガイドブックより

https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_guidebook_ver8.pdf

上記を見てもらえばわかる通り、従業員の数が少ない人数で制限されておりまして、事業再構築補助金に比べると狭い範囲の補助対象者となります。

事業再構築補助金

事業再構築補助金に関しては、簡単に言うと、大企業以外の企業(中堅企業や中小企業)がほぼ対象になるといってよいでしょう。ちなみに、中堅企業とは、中小企業の条件を超えてしまった企業のことです。事業再構築補助金では、中堅企業等は資本金が10億円以下でかつ中小企業等の定義に該当しない企業等、と定義されています。

ただし、下記の図のように申請枠によっては従業員の数の制限がありますので、その点は注意が必要です。

事業再構築補助金公募要領より一部抜粋

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo.pdf

【違いその2】申請できる対象経費

結論から言うと、申請できる対象経費は、小規模事業者持続化補助金のほうが、幅が狭くなってしまいます。

詳細は過去の記事に詳しく書いておりますので、各々見て頂ければと思いますが、簡単にまとめると、下記の内容になります。

小規模事業者持続化補助金

・旅費や資料購入費など細かい費用を対象経費にすることができる

・WEB関連費など、HP作成費用やWEB広告費などは、補助金総額の1/4(最大50万円)を上限とする。

事業再構築補助金

・旅費など細かい費用を対象経費にすることができない。

・WEB関連費などの上限がない。

⇒ WEB集客を事業として大きく行いたい場合に有利

 

【違いその3】補助金額が違う

小規模事業者持続化補助金 ⇒ 50万円~最大250万円

事業再構築補助金 ⇒ 500万円~最大1.5億円

見てわかる通りかなりの差があります。申請枠にもよりますので、自身のやりたい事業に応じて申請する補助金を選択する必要があります。

やはり大きい事業をやりたい場合には「事業再構築補助金」が向いているということになりますね。

これも詳しくは補助金サイトや過去の記事をご確認いただけると幸いです。

 

【違いその4】事前着手承認申請制度の有無

事前着手承認制度とは?

事前着手承認制度とは簡単に言うと、補助金の申請をした後、交付決定が下りる前に発注や契約などを行えるという制度です。フロー表にまとめるとわかりやすいので下記をご覧ください。

(基本)補助金がもらえるまでのフロー

  1. 公募開始
  2. 補助金申請
  3. 採択発表
  4. 交付申請
  5. 交付決定
  6. 契約・発注など事業開始
  7. 補助金交付

(事業再構築補助金のみ)事前着手承認申請制度

  1. 事業開始の基準日の決定
  2. 事業開始
  3. 公募開始
  4. 事前着手申請
  5. 事前着手承認
  6. 基準日以降の事業経費が対象になる
  7. 採択発表
  8. 補助金交付

上記のように採択前に開始した事業も補助金の対象になるのです。

ただし、事業を開始したはいいものの補助金が採択されなかった場合は全て自費で行わないといけないというリスクもあります。

【違いその5】事業化状況報告の年数

補助金をもらった場合、その事業のことに対して報告をする義務があります。もらっておしまいというわけにはいきませんからね。その報告する年数が違うということです。

小規模事業者持続化補助金 ⇒ 1年間

事業再構築補助金 ⇒ 5年間

上記のように事業再構築補助金のほうが、負担が大きくなっています。金額が大きいことを考えると当然かもしれませんね。

 

まとめ

「小規模事業者持続化補助金」と「事業再構築補助金」、どちらが良いかは事業の規模やニーズにより異なります。前者は小規模な事業者向けで手続きが簡便、対象経費に制限がありますが、最大250万円の給付額が魅力。一方で後者は大規模な事業展開を目指す場合に適しており、最大1.5億円の給付が可能ですが、事前着手承認が必要で報告期間も長め。事業状況や目標に応じて検討が必要です。