介護施設を開業するには(社会福祉法人要件編)
介護施設を開業するためには
法人格が必要
⇒どのような法人であれば開業できるのか?
非営利法人
社会福祉法人
社会福祉事業を行うために設立される法人。
高い公益性を保ち、すべての利益は地域社会の福祉の推進にあてられる。
※公益性の高い事業をするからこそ、税金の優遇が受けられる。それ故監査がある
※国や県などが手が届きにくい部分についての事業
※急な撤退などもない。
⇒社会的信用度が高い
⇒税制の優遇を受けられる、施設設備に対して補助が受けられる
⇒所轄庁等の監督下に置かれ、役員や資産など一定の要件を満たす必要がある
医療法人
病院や診療所、介護老人保健施設などを開設するための法人。
利益を出資者に与えることは禁止されている
⇒医師は給与として報酬を受け取れるようになるため節税になる
⇒分院を開設できる
⇒運営や事務処理が煩雑
特定非営利活動法人(NPO法人)
20種類の分野で活動が可能。
設立には満たすべき社員の数や役員の構成など、
NPO法が定めた要件により設立され、不特定かつ多数の利益のために活動する団体
⇒非営利団体で社会的信用度が高い
⇒設立に資本金が不要
⇒知事の認可を得て設立登記までに時間がかかる
営利法人
株式会社
株式発行により資金を集め、事業の運営を行う法人形態。
⇒社会的認知度が高い
⇒法人格があることで資金調達しやすい
⇒設立時に登録免許税など費用がかかる
合同会社
株式を発行せず、出資者が経営の意思決定を行える。決算の公告義務なし。
⇒定款認証が不要なため設立費用が安く、設立スピードが早い
⇒社会的認知度が低い
上記いずれかの法人を設立する必要があります。
社会福祉法人の設立について
施設を経営する法人の資産要件
※以下厚労省HP抜粋
原則
事業を行うために直接必要な物件について、
・所有権を有していること、又は、
・国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていること。
※都市部等土地取得が極めて困難な地域においては、
民間から敷地部分についてのみ貸与を受けていること。
※すべての不動産について貸与又は使用許可を受ける場合には、
1,000万円以上の基本財産を有していること。
特例
以下の施設を設置する場合に、特例の取扱いがある。
・特別養護老人ホームを設置する場合
・身体障害者更生援護施設を経営する既設法人が身体障害者福祉ホームを設置する場合
⇒都市部等以外の地域においても、民間から施設用地の貸与を受けて設置可能。
・小規模障害者通所授産施設を設置する場合
⇒地域を問わず、1,000万円以上の資産を保有している場合には、
当該施設の用に供する不動産のすべてについて民間からの貸与が可能。
(この他、当該施設の経営を目的とする法人の設立には、5年間の事業実績、
1県内での事業実施が必要。)
・施設を経営する既設法人が通所施設を設置する場合
⇒地域を問わず、当該通所施設の用に供する不動産のすべてについて
民間からの貸与が可能。
施設を経営しない法人の資産要件
原則
原則として1億円以上(委託費等で安定的な収入が見込める場合は、
所轄庁が認める額)の基本財産を有していること。
特例
以下の事業の経営を目的として法人を設立する場合の基本財産額については、
一定の要件を満たした場合に緩和している。
・居宅介護等事業(いわゆるホームヘルプ事業)の経営
・地域・共同生活援助事業(いわゆるグループホーム事業)の経営
⇒5年間の事業実績、1県内での事業実施を要件として、
1,000万円以上の基本財産で足りることとする。